タンスに押しつぶされる家-1階-

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文京区大塚 護国寺そばの閑静な住宅街の中にその家はある。

木造2階建て、建坪7坪の決して広いとはいえない空間に4人家族が住んでいる。収納スペースがあまりにも少なく、なおかつ一般よりも物が多いため、部屋中に物があふれていた。
家族のケンカの原因はいつも「片付け」の事。

ご依頼主は家族に対する思いがあふれている。

共働きで家族が顔を合わせるのは夕食の時ぐらい。
せめてこの時間は子供たちと笑顔で食事がとれれば。
そろそろ思春期を迎える子供たちのそれぞれの部屋や夫婦の部屋があれば。
子供たちがいづれ巣立っても帰る場所を残しておきたい、と。

今回は、狭小住宅での最大限の収納量の確保と居住空間の確保をローコストで実現させるという矛盾した難しいテーマに取り組んだ。

お施主さんからの要望

膨大な量のものを納めるための収納スペースの確保。
思春期を迎える子供たちそれぞれの部屋とご夫婦の部屋の確保。
共働きのため家族が揃うのは夕食の時間しかなく、家族全員揃って食事がとれるスペースが欲しい。
とにかく脚が伸ばせるお風呂がほしい。(ご主人の唯一の要望)

現場調査

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 狭小住宅での収納の最大限確保と居住空間の確保をローコストで実現させるという矛盾した難しいテーマに取り組んだ。

 60足分の下足や溢れかえっていた荷物の山や納戸の3竿分のタンスやその隙間に埋もれて細々と遊んでいる娘さんの姿を初めて目の前にした時は、正直頭を悩ませたが、今までデッドスペースだった部分を発見し、それを生きたスペースに変え、物理的に増築は不可能なため広く感じるような設えを工夫した。

 左はリビング・ダイニングとして使われている部屋。元和室だったところを数年前にフローリングに改修して使用されていた。食事の度にダイニングテーブルを出し、食事が終わるとリビングスペースを確保するためにまた元に戻すという不便な生活。流し台も狭く、冷蔵庫は便所への動線上におかれているため本来の人の動きが制限されている。浴槽は膝を抱えなければ入れないほど小さく、一日の疲れを取るにはほど遠い。

改修の考え方

 1階の余分な壁を取り除き、玄関から便所と台所へ行くためだけの通過動線になっていた廊下スペースを新しいリビング・ダイニングの生活空間へと取り込んだ。水回りは道路側と反対側にまとめ、2階のベランダにあった洗濯機も新しく1階に設けた洗面脱衣室に下ろした。もちろん階段下は収納として利用する。

 狭い空間は必要以上に区切ってはいけない。出来るだけオープンにし、広がりを持たせること。兼ねられる機能があれば兼ねること。デッドスペースをなくし空間を使い切ること。

 リビング・ダイニングはこの住宅の一番重要な空間である。狭いながらもそれを感じさせず、あふれていた物はすっきりと収まり、機能的で、あたたかでなければならない。(写真右)

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その他の細かな工夫

とにかく収納量が足りない。ここでは収納をメインにご紹介します。

画像をクリックすると拡大します。

配膳台(広げたところ).JPG配膳台とダイニングテーブル。両袖を上げると長さ1,600の配膳台になり流し台のスペース不足を補う。配膳台(閉じたところ).JPG両袖を下ろした状態。流し台とその吊戸棚は既存を再利用し予算節約。吊り収納3.JPGダイニングテーブル上の吊収納。 3方向の側面から使用する。ホール側には手動式昇降収納を取付け、出入が容易なように配慮した。吊り収納2.JPGベンチ側は来客にも見えないので予算削減で扉なし。ベンチに上がり出入れする。
ダイングテーブルとベンチ.JPGダイニングテーブルとベンチ。テーブルの天板の下には4つの引出しを設け、家族個人のランチョンマットなど細かい物が収納出来るようにした。ベンチ下も座面を開けると収納が現れる。上框収納2.JPG玄関の上框の段差を利用した引出収納。スリッパなどの収納に便利。上框収納1.JPGこちら側にも設けた。床下収納.JPGもちろん床下収納も。3連。
腰引戸腰引戸。玄関側からダイニング方向を見る。急な来客にも目線が隠せるように配慮した。三面収納1.JPG三面収納。この面は60足収容の下足入れ。腰から下の部分は引出し式になっており奥の靴も容易に出し入れ出来る。三面収納2.JPGその扉を閉めたところ。三面収納3.JPG三面収納のダイニング側の面。腰上の左は電話台。右はコルクボードが張ってあり家族のインフォメーションコーナーになっている。
手形.JPG家族4人の手形。 ここに住んでいるという証。