建築の企画・設計・デザイン・監理・調査


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はじめに

三つ子の魂百までという言葉があるほど、幼児期の体験、経験、環境は、その後のその子の人生において、自覚無自覚に関わらず大きな影響を及ぼすといわれている。保育園に通う子供たちは、昼間のかなり長い時間をここで過ごすことになる。そのため、保育園は家以上に生活の場であり、家庭的でなければならない。ご飯を食べ、うんちをし、眠り、遊び、けんかをし、虫を捕まえ、花のにおいを嗅ぎ、泣き、笑い、友達になり、人生の原風景がここで刻まれる。

だからいろんな体験が出来るように、いろんな経験がつめるように、いろんな場所を用意したい。居心地がよく、笑い声が響き、安心できる場所を。そう、ここは120人の「すみだの子ら」が住まう大家族の家なのだ。

配慮したポイント

地域特性にあった質の高い保育のできる機能的施設

ー地域の子育て支援の場として

待機児童数を考慮し特に0〜3歳児保育の定員拡大を図かり、また、時間外保育などの特別保育や子育て安心ステーション事業が可能なスペースを設けた。また、乳幼児の人口構造や保育ニーズの変化に対応できる可変性を確保するため、1、2歳児室は壁ではなくロッカーで仕切ることで、待機児童の動向等によりレイアウトを柔軟に変更できるようにしている。3〜5歳児の保育室間の間仕切は可動式とし、間仕切りを開放してのイベント時の一体的利用や保育人数の変化に対応できるよう
にした。

ー生活・育成の場として

子供たちは一日の大半を過ごすことになるので、家庭的な雰囲気の中で保育が出来るように配慮した。 内装は安全で暖かく優しさに包まれ、木のぬくもりが感じられるよう心掛ける。

ー質の高い保育事業を展開するために

0〜2歳児室は落着きや安心感が求められるため各室独立させ、また玄関ホールから順に2、1、0と配置し0歳児室は一番静かな最奥とする。また、1、2歳は月齢により発達の度合いが異なり、そのため保育方法にも違いが現れるため、同じ保育室でもパーテーションなどで緩やかに仕切り、月齢に分けた保育ができるよう出入口を複数設けたり、ロッカーをエリアごとに分けるなど建築的配慮を行なっている。また、内と外が融合したテラスを外の保育室と位置付け、保育室以外でもいろいろな体験が出来るようにしている。

保育室保育室3室をつないだ状態。 遊戯室とは別に大きな空間が得られる。夏祭りなどのイベントに使われる予定。
2階テラス2階テラス ブドウとキウイを植えている。軒のあるテラスでは雨の日の遊びが出来る。
1階園庭1階園庭 芝山とヒューム管のトンネルとすべり台を組み合わせた。

すべての利用者にとって安全で安心な施設
省エネで地球環境にやさしい施設

太陽光パネル太陽光パネル
屋上園庭屋上園庭
避難すべり台避難すべり台

ー災害時の拠点施設としての機能強化

災害時の拠点施設としてライフラインが断たれた場合の機能強化を図った。電気は太陽光発電を採用し、停電時でも最低限の電力が確保できるようにし、給水に関しては防火水槽を整備して地域の消火能力を高めると共に、断水時の飲用水として活用できるようにしている。また、備蓄倉庫を設け湯沸かしなどのためのカセットコンロなどの備蓄をすることも考えている。

ー事故や犯罪に対して

事務室から主要な部分への見通しの確保や屋上園庭でのプール使用時の目隠しを設け視線を遮る工夫をしている。開閉時の衝突を防止するために扉は引き戸( 指詰め防止)とし、戸の向こう側の様子が分かるように額入戸をとした。内装材、特に床においては、転倒時の衝撃を和らげるようある程度クッション性を持たせ、滑りにくいコルクタイルを採用している。

ーすべての利用者へやさしさ(ユニバーサルデザイン)を。

老若男女問わず全ての利用者にとって使いやすい施設となるよう配慮する。視認性の良いサイン、大人も子供も楽に上がれる階段の勾配、2段手すり、大きめのクレセント、スイッチ、使いやすい機器の採用など。

建物諸元

建物外観

建築場所 東京都墨田区八広
建物用途 保育園
用途地域 都市計画区域内 準工業地域
防火地域 準防火地域
床面積 1,059㎡
構造・規模 鉄骨造 3階建て
竣工 平成26年