今年の春先のこと。
始めてここを訪れコースを案内された時、とても手入れの行き届いたきれいなコースだと思った。
そしてその時、この風景を建物に取り入れたいと直感した。
コース自体、割と起伏が少なく平坦なので、そのまま借景するには効果が薄いと思い、プレーヤーがくつろぐレストラン部分の床を持ち上げ、見下ろす形にすれば、より効果的にコースが見えるのではないかと考えた。
これがこの建物の最初の「種」となり、最終的な形へ結実した。
外観
形態的には複雑な形状とはせず、どっしりとした大屋根を掛け、安定感のある形とした。
意匠的には内外装共華美にならず、自然環境に溶け込むように外壁(杉 羽目板:木材保護材を塗布)、屋根共落ち着きのある色彩としている。
建物正面 車寄せ側から見る。
レストラン側から
こちらの窓からは1番ホールを望むことができる。
エントランスホール〜ロビー〜ラウンジ
エントランスを入ると一直線に1番ホールのスタートが望めるように建物の軸線を設定した。
床のあがったラウンジには風景を切り取る大きなサッシュ、また、階段奥の腰壁部分にもサッシュを設け、視線の「抜け」を意識し、開放感のある空間となるように心掛けている。ロビー右側にプレーヤーのサービス空間(ロッカールーム、シャワールームなど)を配置。コースへの出入口へと繋がる。
エントランスからラウンジ方向を見たところ。
ガラス越しに1番ホールが切り取られる。コースを一つの絵画に見立てて。
階段部分のFIX窓を外部から見たところ。床の玉砂利が外構の芝に一体として繋がっていく。
レストラン
レストランはラウンジを挟み左右に6卓ずつのテーブルを設けている。コンペなどの時にはここで仕切る事によりそれぞれ別の空間にすることができる。方流れの屋根なりに勾配のついた天井とし、採光、通風を考慮して天井の高い方にはハイサイドライトを設けた。春、秋などの中間期にはここを開放し、コースのさわやかな風が抜けることを期待している。
奥からテラス方向を見たところ。テーブル上にペンダント照明を天井からぶら下げ、浮遊感を演出した。
反対にテラス側から見たところ。あたかもコースの芝が建物内部にも連続しているかのように椅子の色はグリーン色を選定した。
テラス
レストランから連続して外部テラスを設けた。全開放サッシュを文字通り全開放すればレストランと一体となった空間が現れる。建設を予定していた場所に樹高10メートルほどのヤマザクラがあった。この木の花は普通ものよりも赤色が濃いという特徴があったので、伐採せずテラス席の日陰を作り出す装置として、また「しもふさ」のシンボルとして残した。
レストランからテラスを望む
ジュニア選手の付き添いで来ている親御さんたちは、ここでゆっくりと子供たちのプレーを見ることができる。
建物諸元
| 建築場所 | 茨城県結城市江川新宿字中篠1974 |
| 建物用途 | クラブハウス |
| 用途地域 | 都市計画区域内 市街化調整区域 |
| 防火地域 | 指定なし |
| 床面積 | 269.9㎡ |
| 構造・規模 | 木造 平屋建て |
| 竣工 | 平成22年 |
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