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余白の時代

  • 5月23日
  • 読了時間: 2分

― AI時代、人間は「感じる力」を取り戻す ―


AIが急速に進化している。


文章を書く。絵を描く。音楽をつくる。設計を補助する。


かつて人間にしかできないと思われていた行為を、AIは次々と担い始めている。


けれど私は、だからこそ逆に、これからの時代に最も大切になるのは「人間の感覚」なのではないかと思っている。


風を感じること。光を感じること。空気を感じること。場の気配を感じること。


そして、言葉にならない違和感や、なぜか心地よいと感じる感覚。


それらは、数値や情報だけでは扱いきれない。




私は建築という仕事を通じて、長年、そうした“感じること”の大切さに向き合ってきた。


建築は単なる箱ではない。


そこに流れる空気や、人と人との距離感、光と影、静けさ、余韻。




そうしたものが、空間の質を決めている。


図面には描けないもの。性能だけでは測れないもの。


しかし、人は確かにそれを感じ取っている。




私はそれを、「余白」だと思っている。


余白とは、ただ空いている空間ではない。


呼吸するための間であり、感じるための静けさであり、新しいものが生まれる“あわい”でもある。


AIは答えを導くことはできる。


しかし、「何を感じるか」までは決められない。


だからこそ、これからの時代は、人間の身体性や感覚が、より重要になっていくのではないだろうか。


合氣道の稽古。朝のウォーキング。木に触れること。言霊を奏上すること。


一見すると非効率に見える行為かもしれない。


けれど、そうした営みの中でこそ、人間の感覚は静かに磨かれていく。


情報が溢れる時代だからこそ、人は“余白”を求め始める。




静けさ。呼吸。木漏れ日。風の音。


その中で、人はもう一度、「感じる力」を取り戻していくのかもしれない。




私は今、そんな「余白の時代」の入り口に立っているような気がしている。

 
 

QUESTWORKS LETTER

建築・地域・場づくりの日々を、 静かに綴っています。

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