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建築か、コンピューターか。四十年後に「両方ある世界」へ

9月23日
読了時間: 4分

仕事は、ずっと長くやりたい


高校三年のとき、理系クラスにいました。

特に好きだったのは物理。 計算はあまり好きではありませんでしたが、考えることは好きでした。

アインシュタインも好きでした。

実際に手を動かす実験も面白い。

頭の中で条件を組み立てて考える「思考実験」というものにも惹かれました。


当時の私には、コンピューターも、その世界に通じているように思えたのだと思います。

大学への進路を考えたとき、コンピューターか、建築かで迷いました。


ただ、その頃は、ソフトウェアの開発は若くないとできない、と言われていました。少なくとも、私はそう聞いていました。


仕事は、ずっと長くやりたい。 生涯現役でいたい。

進路を考えるうえで、それは大きなことでした。


あの人のようになりたい


父の友人に、茨城で活躍する建築家がいました。

子どもの頃、その方のお宅に伺ったことがあります。 すごくかっこいい家だった。 その記憶が残っています。


私自身、何かをつくることが好きでした。

ポスター展で賞をいただいたこともあります。 描いたのは、時計の文字盤が逃げ出すポスター。

時間を大事にしないと、逃げ出すぞ。 そんな趣旨でした。

家の模型をつくったり、ギターに夢中になったり。 YAMAHAのMIDIキーボードとコンピューターで作曲もしました。

父が飲んでいたサントリー角瓶のボトルに着色して、グラスアートをつくったこともあります。


振り返ると、いろいろなものをつくっていました。

コンピューターもいい。 でも、建築は長く続けられる仕事だと聞いた。

あの人のようになりたい。

そうして、建築の道に進みました。



手が先に動く


建物を考え始めるとき、今も、手が先に動きます。

先に頭の中で全部を考えて、それを描き写しているわけではありません。 描きながら考えている。

コンピューターでは、入力という行為が間に入ります。

私の場合、それがどうしても思考に追いつかないことがあります。

手で描いていると、偶然引いた一本の線が、意味を持ち始めることがあります。

その線から、次の考えが生まれる。

最初から意図していた線ではない。 それでも、描いてみたことで見えてくるものがある。


これは、経験から知っていることです。

だから、今も手を動かす。



使ってみて、驚く。使ってみて、困る


最近、AIを仕事の中で試しています。

コンセプトづくり。 アイディア出し。 プレゼンテーション。 図面や計画の確認。

何ができるのか。 どこまでできるのか。 とりあえず、やらせてみる。


図面を読ませたときには、正直驚きました。 ここまで読み取るのか、と。


時間を節約できれば、その分、考える仕事や創造することに時間を使える。

一方で、事実を間違えることもあります。

記録に書かれていることと、AIが読み取ったことが違う。 その確認に、かえって手がかかることもある。


使ってみて、驚く。 使ってみて、困る。


その両方を経験しています。


そんな中、ふと、大学進学のときのことを思い出しました。

コンピューターの世界か、建築の世界か。

あのとき迷った二つが、今、目の前にある。


日記に、こう書きました。

大学進学の時の思いが融合する時が来た。 両方ある世界。

四十年ほど前に迷った進路が、今の仕事の中でつながり始めています。



両方ある世界


今、Obsidianというアプリに、自分の記録や仕事の資料をまとめています。

名前は「QUESTWORKS OS」。

二つのAIには、名前をつけています。

ChatGPTは「エン」。 Claudeは「アワイ」。


アワイは、仕組みをつくり、記録を整える。 エンとは、対話をしながら考えを深める。 そして、私が考え、判断し、決める。


この分担も、まだ試しているところです。

自分が何を経験し、何を考えてきたのか。 それをAIに読み込ませることで、何が分かるようになるのか。

まだ、よく分かりません。


自分の記録を読んだAIが何を返すのか。 それを読んだ私は、何を考えるのか。

やってみたいと思っています。


この取り組みを始めた頃、四か月ほど止まっていた手書きの日記も再開しました。

AIに記録を読み込ませながら、自分では紙に書いている。

建物を考えるときも、手を動かす。 偶然の一本線から、次の考えが生まれることを知っているからです。


高校生の頃、仕事は生涯続けたいと思っていました。

還暦を迎えた今も、その思いは変わりません。

建築を続けてきた先に、もう一度、コンピューターの世界が近づいてきた。

両方ある世界で、これから何をつくれるだろう。


この記事の見出し画像も、AIに描かせました。 実在する建物ではありません。

 
 

QUESTWORKS LETTER

建築・地域・場づくりの日々を、 静かに綴っています。

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